副業は就業規則のどこに書いてある?確認方法と記載例

机の上に開いたバインダーと、付箋を貼りながら確認している手元 副業のルール・手続き

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机の上に開いたバインダーと、付箋を貼りながら確認している手元

※イメージ画像です(AIにより生成)

「副業のルールは、就業規則のどこを見ればいいのか分からない」——会社のルールを確認しようと思っても、分厚い規則のどこに書いてあるのか、迷う方は多いと思います。

結論から言うと、副業のルールは、①「副業・兼業」という章や条文、②服務規律・遵守事項の条文、③懲戒の事由の条文、の3か所を中心に探すのが基本です。厚生労働省のモデル就業規則(令和7年12月版)には、第14章「副業・兼業」(第70条)があり、労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができると書かれています。ただし、これはあくまでモデル(規定の例)で、実際の会社の就業規則は、会社ごとに異なります。

この記事では、厚生労働省の公開情報をもとに、就業規則の入手の仕方、探し方、読み方を整理します。

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この記事でわかること

  • 就業規則とは何か、どうやって見られるか
  • 副業のルールを探す3つの場所
  • モデル就業規則の記載例(第70条)
  • 副業のルールが書かれていないとき
  • 公式情報で確認できなかったこと

就業規則とは(厚生労働省)

厚生労働省の「就業規則を作成しましょう」には、次のように書かれています。

  • 就業規則とは、労働者の賃金や労働時間などの労働条件、職場内の規律などについて定めた、職場における規則集
  • 職場でのルールを定め、労使双方がそれを守ることで、労働者が安心して働くことができ、労使間の無用のトラブルを防ぐことができる
  • 就業規則は、法令や労働協約に反してはならない(労働基準法第92条)

会社に作成義務があるのは

同じ資料には、常時10人以上の労働者を使用している事業場では、就業規則を作成し、過半数組合または労働者の過半数代表者の意見書を添付して、所轄の労働基準監督署に届け出る必要があると書かれています。パートタイム労働者やアルバイトも、この人数に含まれるとされています。10人未満の事業場の扱いは、この資料には書かれていません。

労働者は、どうやって見られるか

就業規則は、各作業所の見やすい場所への掲示、備え付け、書面の交付などによって、労働者に周知しなければならない(労働基準法第106条)とされ、周知方法として、次の3つが挙げられています。

  1. 常時各作業場の見やすい場所に掲示する、または備え付ける
  2. 書面で労働者に交付する
  3. 磁気テープ、磁気ディスクなどに記録し、各作業場に、労働者が内容を常時確認できる機器を設置する

社内の共有フォルダやイントラネットに置かれている会社も多いと思いますが、具体的な場所は会社ごとに違うため、総務・人事の担当者に聞くのが確実です(筆者の整理)。

副業のルールを探す3つの場所

厚生労働省のモデル就業規則(令和7年12月版)をもとに、副業に関係する条文を整理します。

探す場所 モデル就業規則での位置 副業に関係する内容
① 副業・兼業 第14章 第70条(副業・兼業) 勤務時間外に他の会社等の業務に従事できること、届出、禁止・制限できる場合
② 服務規律・遵守事項 第3章 第10条(服務)、第11条(遵守事項) 職務への専念、会社の名誉・信用を損なう行為の禁止、機密の漏洩の禁止
③ 懲戒 第12章 第68条(懲戒の事由) 第11条などへの違反が、懲戒の事由として挙げられている

「副業」という言葉で探して見つからなくても、「兼業」「他の会社等」「許可なく」「届出」「競業」などの言葉で見つかることがあります(筆者の整理)。

① 副業・兼業の条文(モデル第70条)

モデル就業規則の第70条には、次のように書かれています。

  • 第1項:労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる
  • 第2項:会社は、労働者からの前項の業務に従事する旨の届出に基づき、当該業務に従事することにより、次のいずれかに該当する場合には、これを禁止又は制限することができる
    • ① 労務提供上の支障がある場合
    • ② 企業秘密が漏洩する場合
    • ③ 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
    • ④ 競業により、企業の利益を害する場合

解説には、この「副業・兼業」は、他の会社等に雇用される形のほか、事業主となって行うものや、請負・委託・準委任契約により行うものも含むと書かれています。また、副業・兼業に係る相談、自己申告等を行ったことにより不利益な取扱いをすることはできないとも書かれています。

② 服務規律・遵守事項(モデル第10条・第11条)

モデル第11条(遵守事項)には、勤務中は職務に専念し、正当な理由なく勤務場所を離れないこと、会社の名誉や信用を損なう行為をしないこと、在職中および退職後も、業務上知り得た会社、取引先等の機密を漏洩しないことなどが、守るべき事項として挙げられています。副業をするときも、これらに反しないことが前提になります(筆者の整理)。

解説には、服務規律および遵守事項は、就業規則に必ず定めなければならない事項ではないが、職場の秩序維持に大きな役割を果たすため、会社が労働者に遵守させたい事項を定めると書かれています。

③ 懲戒の事由(モデル第68条)

モデル第68条には、第11条などに違反したときは、情状に応じ、けん責、減給又は出勤停止とすることが書かれています。副業が直ちに懲戒の対象になるとは書かれておらず、どの条文に違反するかで扱いが異なる点に注意してください(筆者の整理)。

古い書き方に注意

厚生労働省の特設ページには、次のように書かれています。

  • 平成30年1月、モデル就業規則を改定し、労働者の遵守事項の「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと。」という規定を削除し、副業・兼業について規定を新設した
  • 令和2年9月の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」の改定に伴い、副業・兼業についての記述を改訂した

つまり、以前のモデルには、「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」という書き方があったということです。お勤め先の就業規則が、改定前の古い書き方のままになっている場合もあります(筆者の推測。会社ごとに異なります)。

なお、特設ページでは、副業・兼業の条文を「第14章第68条」と案内していますが、令和7年12月版のモデル就業規則では第70条です。条番号は版によって変わるので、番号ではなく、見出しの言葉で探すのが確実です(筆者の注意)。

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副業のルールが書かれていないとき

ガイドラインには、副業・兼業の届出制などは、就業規則、労働契約等に定めることが考えられると書かれています。そのため、就業規則に書かれていなくても、労働契約書(雇入れ時の書類)などに書かれている場合があることが考えられます(筆者の整理)。

確認の順番の例は、次のとおりです。

  1. 就業規則で、「副業」「兼業」「他の会社等」を探す
  2. 服務規律・遵守事項、懲戒の条文を読む
  3. 労働契約書、雇入れ時の書類を確認する
  4. 総務・人事の担当者に、副業のルールを聞く

ガイドラインの「労働者の対応」には、まず、自身が勤めている企業の副業・兼業に関するルール(労働契約、就業規則等)を確認し、そのルールに照らして、業務内容や就業時間等が適切な副業・兼業を選択する必要があると書かれています。

書かれていない場合の扱いについては、今回確認した公式資料に記載がありません。判断に迷うときは、労働局の総合労働相談コーナーなどに相談してください。

公式情報で確認できなかったこと

  • 10人未満の会社の就業規則の扱い(「就業規則を作成しましょう」には、書かれていません)
  • 就業規則に副業の定めがない場合の、法的な扱い
  • 「許可制」「届出制」「禁止」のそれぞれを採用している会社の割合
  • 個別の会社の就業規則の内容
  • 公務員、特定の業種・職種の規定

よくある質問(FAQ)

Q1. 就業規則を見せてもらえません。

労働基準法第106条で、就業規則は労働者に周知しなければならないとされています(厚生労働省)。周知方法は、掲示・備え付け、書面の交付、記録媒体と閲覧できる機器の設置、のいずれかです。見せてもらえない場合は、労働基準監督署などに相談してください(一般的な案内です)。

Q2. 「副業」と書かれていませんが、規定はありますか。

「兼業」「他の会社等の業務」「許可なく」といった言葉で書かれている場合があります。遵守事項や懲戒の条文もあわせて確認してください。

Q3. モデル就業規則と同じ内容ですか。

モデルは規定の例です。会社ごとに、内容や条番号は異なります。

Q4. 副業の相談をしたら、不利益になりませんか。

ガイドラインとモデル就業規則の解説には、副業・兼業に係る相談、自己申告等を行ったことにより不利益な取扱いをすることはできないと書かれています。

Q5. 規則が古い書き方のままの場合は?

特設ページには、旧モデルの書き方が削除されたことが書かれていますが、古い書き方の規定が、実際の会社でどう扱われるかは、書かれていません。会社に確認するか、相談窓口に問い合わせてください。

まとめ

  • 就業規則は、労働者に周知する義務がある(掲示・備え付け、書面交付、記録媒体)
  • 副業のルールは、「副業・兼業」の条文、服務規律・遵守事項、懲戒の条文の3か所を中心に探す
  • モデル第70条:勤務時間外の副業は可能で、届出に基づき、4つの場合に会社が禁止・制限できる
  • 条番号は版によって変わるため、見出しの言葉で探す
  • 書かれていないときは、労働契約書の確認、会社への問い合わせ、相談窓口の利用を

副業は、まず会社のルールの確認から。
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参考にした公的情報(2026年10月23日確認)

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