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「転売は違法なのか」「フリマで買ったものを売り直すのは大丈夫なのか」——物販に興味を持った方が、最初にぶつかる疑問ではないでしょうか。
結論から言うと、今回確認した公式資料の範囲では、「転売」という行為そのものを、一律に禁止する規定は見当たりませんでした。一方で、物の種類や売り方によっては、許可・免許が必要だったり、禁止されていたり、表示の義務があったりします。この記事では、その主なケースを、警察・文化庁・国税庁・消費者庁の公開情報で整理します(筆者の整理)。
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この記事でわかること
- 転売で問題になりやすい5つの場面
- 古物営業法:中古品を仕入れて売るとき
- チケット不正転売禁止法:チケットの転売
- 酒税法:お酒の転売
- 特定商取引法:ネットで売るときの表示義務と「販売業者」の考え方
- 公式情報で確認できなかったこと
転売で問題になりやすい5つの場面
| 場面 | 根拠 | この記事での扱い |
|---|---|---|
| 中古品(一度使われたものなど)を仕入れて売る | 古物営業法 | 許可が必要になる場合 |
| 興行のチケットを売る | チケット不正転売禁止法 | 禁止される場合 |
| お酒を継続して売る | 酒税法 | 免許が必要な場合 |
| ネットで売る(フリマ・オークションを含む) | 特定商取引法 | 表示義務、「販売業者」の考え方 |
| 医薬品など、他の規制がある商品 | 医薬品医療機器法など | この記事では詳しく扱いません |
医薬品については、厚生労働省の「医薬品の販売制度」のページが、薬局開設や医薬品販売業の許可等の制度を案内しています。個人のフリマなどでの扱いは、今回は確認していません。
① 古物営業法:中古品を仕入れて売るとき
古物営業法の条文には、次のように書かれています。
- 「古物」とは、一度使用された物品、使用されない物品で使用のために取引されたもの、またはこれらに幾分の手入れをしたもの(第2条第1項)
- 古物営業を営もうとする者は、都道府県公安委員会の許可を受けなければならない(第3条)
- 許可を受けないで古物営業を営んだ者は、3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(第31条)
ただし、第2条第2項の「古物営業」の定義には、古物を売却することのみ、または自己が売却した物品を、その売却の相手方から買い受けることのみを行うものは含まれないとされています。
大阪府警察のQ&Aには、次のように書かれています。
- 自分で使っていたものを売るだけなら、古物商の許可は必要ない。ただし、自己使用といいながら、実際は転売するために古物を買って持っているのであれば、許可が必要
- 販売者自身が外国で買い付けをして国内に輸入したものを売るのみなら、許可は必要ない。他の業者が輸入したものを国内で買い取って売る場合は、許可が必要
- 全くの無償で引き取ったものを売る場合は、許可は必要ない
つまり、「転売目的で、中古品などを買って売る」場合は、許可の対象になり得るということです。詳しくは、関連記事「せどりに古物商許可は必要?新品・中古・輸入の考え方」で整理します。
② チケット不正転売禁止法:チケットの転売
文化庁の公式ページには、チケット不正転売禁止法(平成30年法律第103号)は、令和元年6月14日に施行された法律で、特定興行入場券の不正転売を禁止するとともに、その防止等に関する措置等を定めることにより、興行入場券の適正な流通を確保することを目的としていると書かれています。
条文(e-Gov)には、次のように書かれています。
- 「特定興行入場券の不正転売」とは、興行主の事前の同意を得ない特定興行入場券の業として行う有償譲渡であって、興行主等の販売価格を超える価格をその販売価格とするもの(第2条第4項)
- 何人も、特定興行入場券の不正転売をしてはならない(第3条)
- 不正転売を目的として、特定興行入場券を譲り受けてはならない(第4条)
- 違反した者は、1年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金に処し、またはこれを併科する(第9条)
「特定興行入場券」は、興行主等が、契約時に、興行主の同意のない有償譲渡を禁止する旨を明示し、券面などに表示していること、日時・場所と、入場資格者または座席が指定されていること、購入者の氏名と連絡先などを確認する措置を講じていること、などの要件を満たすチケットです(第2条第3項)。
定価以下での譲渡や、興行主が同意した公式リセールなどが、この法律でどう扱われるかは、今回確認した条文の範囲では、上記の定義から判断するものです。個別のチケットについては、文化庁の「チケット不正転売禁止法をわかりやすく!Q&A」などを確認してください。
③ 酒税法:お酒の転売
国税庁のQ&Aには、次のように書かれています。
- 酒類の販売業をしようとする場合には、酒税法に基づき、販売場ごとに、その所在地の所轄税務署長から販売業免許を受ける必要がある
- フリマサイトやインターネットオークションのような形態でも、継続して酒類を出品し販売を行う場合は、酒類の販売業に該当し、販売業免許が必要
- ただし、自分の飲用目的で購入した、または他者から贈られたものなどのうち、家庭で不要になった酒類を出品するような、通常継続的な酒類の販売に該当しない場合は、免許は必要ない
④ 特定商取引法:ネットで売るときの表示と、「販売業者」の考え方
消費者庁の「特定商取引法ガイド」には、次のように書かれています。
- インターネット上のホームページ(インターネット・オークションサイトを含む)などによる広告を見て、消費者がインターネット等で購入の申込みを行う取引は、「通信販売」にあたる
- 「販売業者」とは、販売を業として営む者。「業として営む」とは、営利の意思をもって、反復継続して取引を行うこと。個人でも、これに該当すれば特定商取引法上の「販売業者」となる
- 通信販売では、広告に、販売価格(送料を含む)、支払時期・方法、引渡時期、返品・解除に関する事項、事業者の氏名(名称)・住所・電話番号などを表示する必要がある
警視庁の「古物商許可申請をされる方へ」にも、インターネットを利用して古物の販売を行うことは、特定商取引法の「通信販売」に該当する。個人の事業者であっても、事業者の氏名、住所、電話番号等を表示する義務が生じると書かれています。
「販売業者」にあたるか(消費者庁のガイドライン)
消費者庁の「インターネット・オークションにおける『販売業者』に係るガイドライン」には、次のように書かれています。
- 営利の意思の有無は客観的に判断される。例えば、転売目的で商品の仕入れ等を行う場合は、営利の意思があると判断される
- 営利の意思をもって反復継続して取引を行う者は、販売業者に該当すると考えられる例として、次が挙げられている
- 過去1か月に200点以上、または一時点において100点以上の商品を新規出品している場合
- 落札額の合計が、過去1か月に100万円以上の場合
- 落札額の合計が、過去1年間に1000万円以上の場合
- 家電製品等・CD/DVD・ブランド品などの特定のカテゴリーについて、同一の商品を一時点において一定数以上出品している場合(例:家電製品等は同種の品目を5点以上、ブランド品は20点以上)
- これらを下回っていれば販売業者でないとは限らない。メーカー、型番等が全く同一の新品の商品を複数出品している場合は、販売業者に該当する可能性が高い
- 一時点の出品数が下回っていても、転売目的による仕入れ等を行わずに処分する頻度を超えて、出品を繰り返している場合などは、販売業者に該当する可能性が高い
このガイドラインは、インターネット・オークションの出品者を対象にした考え方です。フリマアプリでの出品に、そのまま当てはまるかは、消費者庁のガイドの記載の範囲では確認できませんでした(筆者の注意)。
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転売を始める前に確認したいこと(筆者の整理)
以下は、公式資料をもとにした、筆者の整理(確認の順番の例)です。
| 順番 | 確認すること | 関係する規定 |
|---|---|---|
| 1 | 売るものは、中古品か、新品か。どこから仕入れるか | 古物営業法(許可が必要かどうか) |
| 2 | 興行のチケット、お酒、医薬品など、特別な規制のあるものか | チケット不正転売禁止法、酒税法、医薬品医療機器法など |
| 3 | ネットで売るのか。継続して、反復して売るのか | 特定商取引法(表示義務) |
| 4 | 会社員の場合、会社の副業のルール | 会社の就業規則(関連記事) |
| 5 | 利益が出た場合の税金 | 国税庁(この記事では扱いません) |
会社員の方は、副業のルールも確認してください。関連記事「副業禁止の会社で副業するとどうなる?」で整理しています。
公式情報で確認できなかったこと
- 「転売」全般を一律に禁止する規定の有無(今回確認した範囲では見当たりませんでしたが、すべての法令を調べたわけではありません)
- 偽ブランド品・模倣品などを扱った場合の扱い(今回は公式ページを確認できませんでした)
- 医薬品・食品・化粧品・古い家電など、商品ごとの規制の詳細
- フリマアプリでの出品が、「販売業者」にあたる具体的な基準
- 各フリマ・オークションサービスの規約(出品禁止物・転売の扱い)
- 利益が出た場合の税金・確定申告
よくある質問(FAQ)
Q1. 転売は違法ですか。
今回確認した範囲では、転売全般を一律に禁止する規定は見当たりません。ただし、中古品の仕入れ(古物営業法)、チケット(チケット不正転売禁止法)、お酒(酒税法)など、物や売り方によって、許可・免許が必要だったり、禁止されたりします。
Q2. 自分が使っていたものを売るのは?
大阪府警察のQ&Aには、自分で使っていたものを売るだけなら、古物商の許可は必要ないと書かれています。ただし、転売するために買って持っているものは、別です。
Q3. チケットを定価以下で譲るのは?
条文では、不正転売は、興行主の同意を得ずに、業として、販売価格を超える価格で有償譲渡するものと定義されています。個別の事情は、文化庁のQ&Aや、チケットの規約を確認してください。
Q4. フリマで売っていると、特定商取引法の対象になりますか。
消費者庁のガイドには、営利の意思をもって反復継続して取引を行う場合は、個人でも「販売業者」にあたると書かれています。フリマアプリの具体的な基準は、確認できませんでした。
Q5. 会社員でも転売できますか。
会社の副業のルール(就業規則・労働契約)をまず確認してください。厚生労働省のガイドラインの考え方は、関連記事で整理しています。
まとめ
- 今回確認した範囲では、「転売」全般を禁止する規定は見当たらない。物の種類や売り方で、規制が決まる
- 中古品を転売目的で仕入れて売る場合は、古物商の許可の対象になり得る(無許可は3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金)
- チケットの不正転売は禁止(1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金)。お酒は、継続して売るなら免許が必要
- ネットで反復継続して売る場合は、個人でも特定商取引法の「販売業者」となり得る。表示義務がある
- 会社員は、会社のルールも確認する
転売・物販は、ルールの確認から。
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参考にした公的情報(2026年10月23日確認)
- 古物営業法(e-Gov法令検索):https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000108
- 大阪府警察「古物営業法Q&A」:https://www.police.pref.osaka.lg.jp/tetsuduki/kyoninka/kobutsu/kobutsu/3685.html
- 警視庁「古物商許可申請をされる方へ」:https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/tetsuzuki/kobutsu/kaisetsu/kobutsu_shinsei.html
- 文化庁「チケット不正転売禁止法」:https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunka_gyosei/ticket_resale_ban/index.html
- 特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律(e-Gov法令検索):https://laws.e-gov.go.jp/law/430AC1000000103
- 国税庁「酒類の販売業免許(Q&A)」:https://www.nta.go.jp/taxes/sake/qa/03b/05.htm
- 消費者庁「特定商取引法ガイド 通信販売」:https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/mailorder/
- 消費者庁「インターネット・オークションにおける『販売業者』に係るガイドライン」:https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_transaction/specified_commercial_transactions/assets/consumer_transaction_cms101_230421_1.pdf
- 厚生労働省「医薬品の販売制度」:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000082514.html

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