副業の届出は必要?許可制・届出制の違いと届出書の中身

机の上で書類に記入しようとペンを持つ手元と、ノートパソコン、コーヒーカップ 副業のルール・手続き

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机の上で書類に記入しようとペンを持つ手元と、ノートパソコン、コーヒーカップ

※イメージ画像です(AIにより生成)

「副業を始めるのに、会社への届出は必要なのだろうか」「届出書には何を書けばいいのだろう」——この記事は、そんな疑問を整理したものです。

結論から言うと、会社への届出が必要かどうかは、お勤め先の就業規則・労働契約書の定め次第です。厚生労働省のモデル就業規則(令和7年12月版)は、労働者からの届出に基づいて、会社が副業を確認する仕組み(届出制)になっています。また、ガイドラインには、使用者は、副業・兼業に伴う労務管理を適切に行うため、届出制など、副業・兼業の有無・内容を確認するための仕組みを設けておくことが望ましいと書かれています。

なお、会社への届出と、税務署への開業届は、別の手続です。この記事の後半で、その違いも整理します。

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この記事でわかること

  • 禁止・許可制・届出制の違い
  • 会社への届出に書く内容(厚生労働省の様式例)
  • 届出なしで副業をしていた場合の考え方
  • 会社への届出と、税務署への開業届の違い
  • 公式情報で確認できなかったこと

禁止・許可制・届出制の違い

厚生労働省の資料をもとに、3つの考え方を整理します。

形 内容 厚生労働省の資料での扱い
届出制 副業をする旨を会社に届け出る。会社は、届出に基づいて内容を確認する モデル就業規則(第70条)は、届出に基づき、4つの場合には禁止・制限できる形。ガイドラインは、届出制などの仕組みを設けておくことが望ましいとしている
許可制 副業をする前に、会社の許可等の手続を求める ガイドラインには、許可等の手続を求め、これへの違反を懲戒事由としている場合の裁判例が紹介されている
禁止 副業を禁止する ガイドラインは、禁止または一律許可制にしている企業に、自社の業務に支障がないか精査したうえで、原則、認める方向で検討することを求めている

届出制と許可制の使い分けは、会社によって違います。自社がどれにあたるかは、就業規則を確認してください(関連記事「副業は就業規則のどこに書いてある?」)。

届出制の考え方(モデル就業規則)

モデル就業規則の解説には、労務提供上の支障や企業秘密の漏洩がないか、長時間労働を招くものとなっていないか等を確認するため、労働者からの事前の届出により、労働者の副業・兼業を把握することを規定していると書かれています。また、副業・兼業に係る相談、自己申告等を行ったことにより不利益な取扱いをすることはできないとも書かれています。

届出に書く内容(厚生労働省の様式例)

厚生労働省の特設ページには、企業が、労働者が行う副業・兼業の内容を申告に基づき確認するにあたって参考にできる様式例として、「副業・兼業に関する届出様式例」が載っています。様式例には、次の項目があります。

項目 内容(様式例)
1 副業・兼業の形態 雇用(事業所の名称等を記入)/非雇用(業務の内容を記入)
2 事業所の名称・住所 副業先の名称、住所
3 事業内容・従事する業務内容 副業先の事業内容、自分が従事する業務
4 労働契約締結日等 締結日、契約期間(期間の定めなし/あり)
5 所定労働時間等 所定労働日、所定労働時間(1日・週)、始業・終業時刻、所定外労働時間の有無・見込み
6 確認事項 変更があったときは速やかに届け出ること。会社の求めがあれば、改めて届け出ること。必要に応じて、副業先での実労働時間を報告するなど、労務管理に必要な情報提供に協力すること

「非雇用」は、雇用されない形(フリーランス、請負・委託など)の副業を想定した項目です(筆者の整理)。ガイドラインには、フリーランス、独立、起業などの労基法が適用されない場合は、労働時間が通算されないと書かれています。そのため、雇用型の副業とは、書く項目が変わることが考えられます。

実際に会社が使う様式は、会社ごとに異なることが多いと考えられます。この様式例は、あくまで参考です。

実労働時間の報告の例(様式例の注記)

様式例には、実労働時間の報告の方法の例として、次の3つが挙げられています。

  1. 1週間分を、週末にまとめて報告する
  2. 所定労働時間どおり働いた場合は報告を求めず、所定外の労働があった場合のみ報告する
  3. 時間外労働の上限規制の水準に近づいてきた場合に報告する

届出なしで副業をしていた場合

モデル就業規則の解説には、次のように書かれています。

  • 就業規則で、副業・兼業を行うことや、その内容・労働時間等についての届出を定めていた場合に、届出がなされずに副業・兼業が行われたことを把握したときは、まず、労働者に届出を求める
  • そのうえで、禁止・制限できる場合に該当しないかを確認し、該当しない場合で労働時間の通算の対象となるときは、他の使用者の事業場における所定労働時間等を確認して、適切に労働時間の管理を行う
  • 労働者が副業・兼業を行うことができるようにすることが望ましい

これは、会社に向けた解説です。つまり、「届出がなかった場合に、会社がまず届出を求める」ことが望ましいと書かれているものです。届出なしの副業が、実際に処分されるかどうかは、裁判例のように、個別の事情で判断されます(関連記事「副業禁止の会社で副業するとどうなる?」)。

届出書には、副業先の名称・業務内容・時間などを書きます。始める前に、内容を整理しておくと、書きやすくなります。
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会社への届出と、税務署への開業届は別

国税庁のタックスアンサー(No.2090「新たに事業を始めたときの届出など」)には、次のように書かれています。

  • 個人が新たに事業を開始した場合には、所得税および源泉所得税ならびに消費税に関する各種届出書等の提出が必要となる
  • 「個人事業の開廃業等届出書」の提出期限は、事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限まで
  • 「所得税の青色申告承認申請書」は、青色申告の承認を受ける場合の手続
項目 会社への届出 税務署への手続
目的 会社が副業の内容を確認する 税金の手続
根拠 会社の就業規則・労働契約 税法(国税庁の案内)
提出先 会社 税務署
書類 会社が定める様式(厚生労働省の様式例は参考) 個人事業の開廃業等届出書など

会社への届出の様式例には、税務署の開業届に関する項目はありません(厚生労働省の様式例)。副業の形によっては、開業届が必要かどうかも変わります。この点は、税務署や税理士にご確認ください。副業の確定申告については、ガイドラインに、副業・兼業で20万円を超える副収入がある場合は、企業による年末調整ではなく、個人による確定申告が必要と書かれています。

公式情報で確認できなかったこと

  • 届出の提出時期の、全国共通の決まり(会社の就業規則によります)
  • 届出なしの副業が、実際にどのように扱われるかの具体的な基準
  • 副業の内容が、会社に知られたくない場合の扱い(この記事では扱いません)
  • 副業の種類ごとの、開業届が必要かどうかの判断基準(国税庁のページに、事業の判定の詳細はありません)
  • 公務員、特定の業種・職種の届出のルール

よくある質問(FAQ)

Q1. 副業の届出は、必ず必要ですか。

法律上の必要性は、今回確認した公式資料には書かれていません。会社の就業規則・労働契約に、届出(または許可)の定めがあるかどうかで決まります(厚生労働省の資料の趣旨)。

Q2. 届出書は、決まった様式がありますか。

会社が定める様式があることが多いと考えられます。厚生労働省の様式例は、企業が参考にするための例です。

Q3. 届出に、収入の額も書きますか。

厚生労働省の様式例には、収入の額を書く項目はありません(所定労働時間等の項目が中心です)。会社の様式に、どの項目があるかは、会社ごとに異なります。

Q4. 届出をしたら、副業を断られませんか。

モデル就業規則では、会社は、労務提供上の支障、企業秘密の漏洩、名誉・信用の毀損や信頼関係の破壊、競業による企業の利益の侵害のいずれかに該当する場合に、禁止・制限できるとされています。届け出たこと自体で、不利益な取扱いをすることはできないとも書かれています。

Q5. フリーランスとして副業する場合も、届出が必要ですか。

様式例には、「非雇用」の形態の項目があります。必要かどうかは、会社の就業規則次第です。

まとめ

  • 会社への届出が必要かどうかは、就業規則・労働契約の定め次第
  • モデル就業規則は、届出に基づき、4つの場合に会社が禁止・制限できる形(届出制)
  • 厚生労働省の様式例は、形態、副業先、業務内容、契約、労働時間などを書く内容。会社の様式は、会社ごとに異なる
  • 相談・自己申告を理由に、不利益な取扱いをすることはできない
  • 会社への届出と、税務署への開業届は別の手続

副業は、会社のルールと届出の確認から。
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参考にした公的情報(2026年10月23日確認)

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