副業で挫折しそうなとき|立て直しの考え方

副業の挫折と立て直しのイメージイラスト 働き方・資産構築のリアル

結論から言うと、副業で挫折しそうになったときに大切なのは、「気合いで乗り切る」ことではなく、「何が苦しいのかを切り分けて、続けられる形に作り直す」ことだと考えています。成果が出ない、時間が足りない、情報に振り回される、といった苦しさは、原因によって対処法が違います。そして、場合によっては「いったん休む」「やめる」という判断も、立派な選択肢です。

この記事は、僕個人の体験談ではなく、よくある挫折の場面と、立て直しの考え方を一般的に整理したものです。習慣化に関する研究や、厚生労働省・国民生活センターの公開情報も踏まえて、まとめました。今まさにしんどいと感じている方の、状況を整理する手がかりになれば幸いです。

この記事でわかること

  • 副業で挫折しやすい、5つの場面
  • 「続ける」ことについての研究から分かること
  • 立て直しのための手順
  • 本業との両立で確認しておきたいこと
  • 「やめる」と決めるときの考え方
  • 苦しいときに気をつけたい、お金のトラブル

挫折しやすい5つの場面

1. 成果が見えない

記事を書いても、動画を投稿しても、アクセスや反応がほとんどない。この状態が続くと、「やっても意味がないのでは」と感じやすくなります。ただ、検索結果への反映には時間がかかります。Googleの「SEOスターターガイド」では、反映まで数時間から数か月かかる場合があるとされています。成果が見えない期間があること自体は、珍しくないと言えます。

2. 時間が足りない

本業や家事のあとに作業時間をとるのは、思った以上に大変です。理想の作業量を決めてしまうと、できなかった日に自分を責めやすくなります。

3. 情報に振り回される

「このやり方がいい」「それは古い」といった情報が飛び交い、何を信じればいいのか分からなくなる状態です。手法を何度も変えると、どれも中途半端になりがちです。

4. 他人と比べて落ち込む

SNSで、同じ時期に始めた人の成果を見て、焦りを感じる場面です。ただし、見えている数字は、その人の一部であり、条件も違います。

5. 疲れと、気持ちの消耗

睡眠が減る、休日がなくなる、といった状態が続くと、やる気だけでなく、判断力も落ちていきます。この場合は、方法の問題ではなく、休養が必要なサインかもしれません。

「続ける」ことについての研究

習慣化については、いくつかの研究があります。有名なものに、ロンドン大学(UCL)のLallyらによる2009年の研究があります。英国心理学会(BPS)の紹介によると、96人が12週間(84日間)、新しい行動を続けて、どのくらいで自動的にできる(習慣になる)かを調べたものです。

  • 習慣として自動的にできるようになるまでの平均は約66日
  • 個人差が大きく、18日から、予測値で254日までの幅があった
  • 1日抜けたことは、その後の習慣化にほとんど影響しなかった
  • 84日たっても、参加者の約半数は、習慣と見なせる水準に届かなかった

ここで注意したいのは、この研究が扱ったのは、「昼食に果物を食べる」「夕食前に15分走る」といった単純な日常の行動だということです。ブログを書く、動画を作るといった複雑な作業に、そのまま当てはまるとは限りません。

それでも、次のような考え方のヒントにはなります。

  • 続けられるようになるまでに、人によって、かなりの時間がかかる
  • 1日できなかったからといって、全部が無駄になるわけではない
  • 「3日坊主」は、意志の弱さだけの問題ではない

立て直しの手順

1. いったん、状況を書き出す

頭の中だけで考えていると、苦しさが大きく見えます。紙やメモに、次の項目を書き出してみてください。

  • 何が一番つらいか(成果・時間・気持ち・お金・人間関係など)
  • いつ頃から、つらくなったか
  • 最近の作業時間と、睡眠時間
  • 使った費用の合計

2. 原因を切り分ける

つらさ 考えられる原因 対応の方向
成果が見えない 期間が短い、方法が合っていない 数字を見直す、小さな指標に切り替える
時間が足りない 目標が大きすぎる、作業が重い 作業量を減らす、1回の作業を小さくする
情報に振り回される 判断の基準がない 信頼できる公式情報を軸にする
比べて落ち込む 他人の数字を見すぎている SNSを見る時間を減らす
疲れている 睡眠・休養が不足 まず休む。作業は最低限に

3. 目標を小さく置き直す

「月5万円」のような収益の目標は、自分でコントロールできない部分が多いため、達成できないと自信を失いやすくなります。代わりに、自分でコントロールできる目標を置きます。

  • 週に1本、記事を公開する
  • 1日15分だけ、机に向かう
  • 月に1回、数字を見直す日をつくる

4. 作業を最小の単位にする

「記事を1本書く」は大きな作業です。次のように、小さく分けてみてください。

  1. キーワードを決める
  2. 見出しだけ書く
  3. 1つの見出しの文章だけ書く
  4. 公式情報を1つ確認する

「今日は見出しだけ」でも、作業を続けた、という事実が残ります。

5. 見る数字を変える

収益だけを見ていると、苦しくなります。Search Consoleで確認できる、小さな変化に目を向けてみましょう。

  • 表示回数が、少しでも増えているか
  • 新しい検索語で、表示されるようになったか
  • クリックが、初めて発生したか

Search Consoleの表示回数やクリック数の定義は、Googleのヘルプで確認できます。収益より前の段階で、前進が見えるものがあることを、知っておくと気持ちが楽になります。数字の見方は、別の記事(「ブログのアクセス解析、初心者がまず見るべき場所」)で整理しています。

6. 環境を整える

  • 作業する時間帯と場所を、固定する
  • 通知など、集中を妨げるものを減らす
  • 作業を始める前の、簡単な手順(コーヒーを入れる、など)を決める

7. 誰かに話す

一人で抱えていると、考えが堂々めぐりになります。家族、友人、同じ副業をしている人に話すだけでも、整理できることがあります。

本業との両立で確認しておくこと

副業を続けるうえで、本業との関係も確認しておく必要があります。厚生労働省の労働条件に関するページ(副業・兼業をする労働者向け)では、次の点が案内されています。

  • 勤務先の就業規則を確認する:原則として副業・兼業を認めるモデル就業規則が広がっているが、企業によって条件が異なる場合がある
  • 勤務先への届出・許可が必要な場合がある:始める前に確認する
  • 労働時間の通算に注意する:雇われて複数の企業で働く場合、労働時間は通算して管理される
  • 自分の健康を自分で管理する:副業・兼業による過労で健康を害したり、業務に支障が出たりしないよう、業務量や時間、健康状態を、労働者自身が管理する必要がある
  • 守秘義務や競業避止義務:勤務先の機密情報を漏らさない。同業での副業が制限される場合がある
  • 確定申告:副収入が20万円を超える場合などは、確定申告が必要になる場合がある

ブログやYouTubeの収益の場合、雇われて働く形とは異なるため、労働時間の通算の対象になるかなど、状況によって扱いが異なります。不安な場合は、勤務先の担当部署や、公的な相談窓口に確認してください。

副業の税金については、別の記事(「副業の確定申告|所得20万円の目安と住民税の注意点」)で整理しています。

「やめる」という選択肢

立て直しを試みても、どうしても続けられない場合があります。その場合は、やめることも、ひとつの判断です。ただ、感情的にやめるのではなく、基準を決めて判断するのがおすすめです。

決めておくと良い基準

  1. 期限:「ここまで続けて、〇〇の状態にならなければ見直す」という日付や期間
  2. 費用の上限:これ以上は使わない、という金額
  3. 時間の上限:週にかける時間の上限
  4. 健康・生活の優先:睡眠・家庭・本業に支障が出たら、優先順位を下げる

「ここまで使ったから」という考えに注意

すでに使ったお金や時間を理由に、続けるか迷うことがあります。これからの時間とお金を、今後も使う価値があるかで判断するほうが、後悔が少ないと考えています。

休む、縮小する

完全にやめる前に、「週1回に減らす」「1か月休む」といった中間の選択肢もあります。作ったブログ記事は、すぐに消えるわけではありません。

苦しいときに気をつけたい、お金のトラブル

成果が出ずに焦っているときは、「これを買えば稼げる」「サポートに入れば大丈夫」といった勧誘に、心が動きやすくなります。国民生活センターは、「簡単に稼げる」とうたう副業のトラブルについて注意喚起をしており、2023年10月27日の発表では、次のような手口が紹介されています。

  • 「1日10分の簡単作業」「1日1万円」といった文言での勧誘
  • 初期費用は無料とうたいながら、マニュアル代などの名目で金銭を請求する
  • 「有料プランに入らないと稼げない」として、高額(約60万円の例)のサポート契約を勧める

アドバイスとして、「簡単に稼げる」という強調表現をうのみにしないこと、作業内容や利益の仕組みが明確でなければ契約しないこと、不安があれば消費者ホットライン188に早めに相談することが示されています。

焦っているときほど、その場で決めない。一晩おいて、家族や第三者に相談してから判断するくらいで、ちょうどいいと思います。

心身がつらいとき

眠れない、食欲がない、気分が落ち込む状態が続く場合は、副業の問題を超えて、休養や専門的な支援が必要な状態かもしれません。作業を止めて休むことを優先し、必要に応じて、医療機関や公的な相談窓口に相談してください。

立て直しのチェックリスト

  • つらいことを、紙に書き出した
  • 原因を、成果・時間・情報・比較・疲れのどれかに切り分けた
  • 収益以外の、小さな目標を決めた
  • 作業を、15分でできる単位に分けた
  • 見る数字を、Search Consoleの表示回数などに変えた
  • 本業の就業規則や、労働時間を確認した
  • 高額な契約や、新しい教材を、すぐに買わないと決めた
  • 睡眠と休養の時間を確保した
  • 見直しの期限と、費用の上限を決めた

よくある質問(FAQ)

Q. 3日で挫折してしまいました。向いていないのでしょうか?

そうとは限りません。習慣になるまでの時間には個人差が大きく、研究でも、18日から254日まで幅があるとされています。やり方や目標の大きさを見直すことで、続けやすくなる場合があります。

Q. しばらく休んでしまいました。もう遅いですか?

遅くはありません。研究では、1日抜けても、その後の習慣化への影響はほとんどなかったとされています。ブログの記事も、すぐには消えません。再開するときは、小さな作業から戻るのがおすすめです。

Q. 成果が出ないのは、やり方が間違っているからですか?

間違っている可能性もありますが、単に時間がかかっているだけの可能性もあります。Search Consoleの数字などで、どの段階にいるのかを確認することが先です。

Q. 周りに副業のことを話しにくいです。

話せる範囲で構いません。話しにくい場合は、同じ目的の人が集まるコミュニティなどもありますが、勧誘目的のものもあるため、費用や内容は慎重に確認してください。

Q. 副業をやめたら、無駄になりますか?

学んだこと、作った記事、身につけたスキルは、残ります。続ける価値があるか、他に時間を使うべきことがあるかは、人によって違います。

Q. 本業が忙しく、副業の時間が取れません。

作業量を減らす、期間を延ばす、休む、という選択肢があります。本業や健康を優先することを、まず考えてください。

まとめ

  • 挫折しやすい場面は、成果が見えない・時間がない・情報に振り回される・比べる・疲れる、の5つ
  • 習慣化にかかる時間には、個人差が大きい。1日抜けても、全部が無駄になるわけではない
  • 立て直しは、書き出す → 切り分ける → 目標を小さくする → 作業を小さくする → 見る数字を変える、の順に
  • 本業との両立は、就業規則・届出・労働時間・健康管理を確認する
  • やめる・休む・縮小するも選択肢。焦っているときほど、高額な契約はその場で決めない

副業は、続けること自体が目的ではありません。あなたの生活が少しでも楽になるために、取り組むものだと思っています。しんどいときは、立ち止まって、続け方を変えてみてください。

参考にした公式情報(2026年10月確認)

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